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豊川まで来たのですから、行かないわけにはいかない三河国一宮。
「砥鹿神社」。
◯こちら===>>>三河国一之宮砥鹿神社
そう、本来は、この神社(麓にあるので、里宮と呼ばれます)から望める海抜789メートルの「本宮山」という御山に対する信仰だったのではないか、と言われています。
◯こちら===>>>豊川市遊びスポット 本宮山
天気が怪しかったので、御山までは行きませんでした。
頂上には「奥宮」が鎮座しているそうです。
ちょっと後悔。
駐車場に車をとめまして、参道を歩きます。
「当神社は、太古より本宮山にお祀りされていたが、今から約1300年前の大宝年間、現在地にお遷しした。爾来、三河国一宮として、或いは東海地方の総鎮守として広く朝野の崇敬を寄せられてきた(後略)」
創建年代詳らかならず、ということは、古い信仰形態を持っていたものが、神社という形に変化していったものと思われます。
山、磐座に対する信仰は、日本では最古の信仰だと言われていますので。
神紋が独特で、「亀に卜(ぼく)」、「亀甲に亀卜」と言うらしいです。
甲骨文字の元々の意味は、「亀甲獣骨に刻まれた文字」ということですが、中国では占いに使われておりました。
卜占、というやつで、亀甲や獣骨(牛や鹿の肩胛骨)を熱して、そのときに入るひびの形等で吉凶を占った、というわけです。
で、この神紋も、そんな起源を表しているのでしょう。
昔、大国主命が国土開発のためあちこち巡幸された際、本宮山に永く留まったことから、「止所(とが)の地」と呼ばれるようになった、と『但馬続風土記』にはあるそうです。
よくわかりませんな。
明応九年(1500)の『三河国一宮砥鹿大菩薩御縁起』によれば、文武天皇在位の大宝年間に、天皇の病を鎮めるため、草鹿砥公宣卿(くさかどきんのぶきょう)が遣わされたそうです。
この方、「煙厳山」に向かうのですが、途中で道に迷ったそうで。
たまたま、本宮山で出会った翁の導きで、お役目を果たしたそうです。
そのお礼のために、この方また派遣されまして、翁に面会。
実は翁は「本宮山」の神で、そろそろ麓に降りて民を救いたいとおっしゃったそうで。
こうして、砥鹿神社「里宮」ができました、と。
しるや如何に 吾が名をとはば 千はやぶる 神の始めの 神とこそ言はめ
翁の遺した歌が、御詠歌として伝わっています。
元々「止所(とが)」と呼ばれていた場所に、「草鹿砥公宣卿」がやってきた、だから「砥鹿」の字を当てたのでしょうか。
そうすると、占いを示唆する神紋との関係はどうなるのでしょう。
鹿が神の使いだった、という話は出てきませんし。
うーん……多分、土着の占いが得意な人たちがいたけれど、まず大国主命に蹴散らされて、その次に「草鹿砥卿」にも攻め込まれ、恨みを飲んで滅びた……のではないかと。
拝殿。
写真暗いなぁ……。
総檜造らしい社殿は非常に立派です。
こちらは南側の鳥居。
門から見た社殿。
つまり、大国主命です。
わかってるって?
境内には、太鼓楼や。
さざれ石があります。
ちらっと、ばかでかい今年の干支を描いた絵馬が、見えるでしょうか。
でかいです。
摂社として、「二宮社」には「事代主命(ことしろぬしのみこと)」、「三宮社」には「建御名方命(たけみなかたのみこと)」がお祀りされているようです。
どちらも、大国主命の御子神です。
よーく、奥の方を見ますと、本殿が二つ並んでいるのが見えると思います。
嘘です、私の視力では見えません。
Macの人は、拡大してみてください。
ほら見えた。
見えないですねぇ本殿……。
さて、こちらの「二宮社」「三宮社」、通称「えびす社」と呼ばれています。
「事代主命」が、「えびす」様と同一視されたため、ですね。
釣りが得意な神だったので、後に鯛を抱えた「えびす」様になっていったのだろうと思われています。
ところで、「事代主命」、神話に詳しい方ならご存知の通り、天孫降臨の際、「国を譲ります」と言って海に身を隠したんですが。
「隠れる」というのは、「死ぬ」という意味だったんですね。
なので、「水死」した(させられた?)のではないか、と考えられています。
そして、「水死体」のことを、沿岸部では「えびす」と呼んだりしますね。
これは、膨らんだ体や顔が「えびす」様に似ているからだ、と考えられていますが。
ひょっとすると、「事代主命」の死に様のことを伝えているのかも知れません。
………。
……。
…。
なーんて、高田崇史氏的なことをでっちあげてみました〜。
もう一人の「建御名方命」はどうなったかというと、高天原最強の「タケミカヅチノカミ」とのガチンコに破れて、手足を引っこ抜かれて、諏訪湖まで追いつめられて、二度と諏訪の地からは出ない、ということを誓わされています。
生き残っただけましなのか。
ところが、「諏訪神社」というのが全国にどれほどあるのかご存知でしょうか。
諏訪から出ないどころの話ではなく、広がっています。
さて、何があったのか……?
本日はここまで〜。

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