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豊川稲荷を参拝して、そのままぶらっとしました。
大駐車場の看板に書かれていた神社が気になりまして。
「豊川進雄神社(とよかわすさのおじんじゃ)」です。
◯こちら===>>>豊川進雄神社のご案内
住宅街の中にあって、大きな敷地の神社、だと思います。
暗くて見えませんが、郷社と彫られています。
昇格したのをお祝いして立てられたようです。
瓦葺きの拝殿。
わりと新しい、ということでしょうか。
摂社かな……「橿原神社」。
実は、「神武天皇」が主祭神になった神社、というのは明治に入るまでなかった……そうです。
不思議ですね。
ま、そもそも、「人」を神として奉る、という発想が昔の日本人にはあまりなかったんだと思いますが。
「出雲大社」。
ま、主祭神が「スサノオノミコト」ですから、おかしくはないんですが。
にしたって、やっつけ仕事なお社だと思いませんか?
「御祭神 進雄命(すさのをみこと)
当神社の創立は伝承によると文武天皇大宝元年(701)大旱魃の際豊川の西岸旧鎌倉街道に沿った元宮豊川町仁保通77番地の地に牛頭天王をお祭りして雨乞いの祭祀を行ったことから始まったと伝えられている……(後略)」
はい、というわけで、元々は「牛頭天王」を奉っていたわけですね。
元々、「豊川牛頭天王社」と呼ばれておりましたそうです。
例の「廃仏毀釈」で、とにかく「牛頭天王」は抹殺されなければならなかったので、他の「天王社」などと同様、こちらも「スサノオノミコト」を祭神としたようです。
「奉納綱火」というお祭りで有名なようです。
万治3年(1660)に始まったそうですが、神社HPの由来によれば、このとき「煙火を再興させた」と文献にはあるそうです。
ですので、元々の由来はわからないんですね。
手筒花火もあるようです。
さて、この神社の何が気になったかというと。
「進雄命」という表記ですね。
ざっと検索してみると、
◯豊川市神社名鑑===>>>豊川市神社名鑑:大社神社
何気に、豊川市内にはこの表記の神社がいくつかあることがわかります。
他に検索してヒットするのは、群馬県高崎にあるもの、でしょうか。
どうしてこんな表記になったのか……という由来を知りたいのですが。
ネットでの検索には限界がありそうです。
何らかの勢力争いでもあったのかなぁ……と漠然と思ったりします。
というのは、上記HPには、「素戔嗚神社」もやはりたくさん紹介されているからです。
で、そのうち一つに行ってまいりました。
こちらは中央通にある「素戔嗚神社」です。
素朴な拝殿ですが、こちらも瓦葺きなので、比較的新しいでしょう。
何か、狛犬の色がなんだか……。
がんばって本殿を覗いてみましたが……暗いなぁ。
敷地内の「津島社」。
「皇大神宮」。
伊勢神宮のことです。
この「稲荷社」、抜群の存在感。
すぐ近くに「豊川稲荷」があるのに、五輪塔に無理矢理神明造っぽい屋根を乗せただけの、石造りのお社。
哀愁すら感じます。
「秋葉神社」。
その脇にですね、
「三尺坊」と書かれた、これまた小さなお社があります。
秋葉信仰の元となった「三尺坊」という修験者がおりまして。
この人(外観は烏天狗そのもので、白い狐にまたがっているのですが)が、静岡県の秋葉山に留まったことから、「秋葉山三尺坊大権現」という神として奉ったのですね。
そこから勧請してきた「秋葉神社」、火難にご利益ありということで、特に江戸の街で大流行しました。
「秋葉原」という地名に名残りがあります。
そして、例によって例の如く、「廃仏毀釈」。
神仏分離令のおかげで、静岡の「秋葉山三尺坊大権現」、分離させられまして。
「三尺坊大権現」と、「秋葉神社」(祭神はホノカグツチノカミ)になったのです。
おそらく、こちらも元々は「秋葉山大権現」をお奉りしていたのでしょうけれども。
そんな時代に打ち当たったので、やむなく「秋葉神社」と「三尺坊」を分離したのではないでしょうか。
さて、こちらの「素戔嗚神社」、先ほどのHPで由来を見てみますと。
「永治元年(1141)に初勢天王宮を祀る」とあったり、「仁治3年(1242)尾州津島の間野式部太夫弊帛を奉る」とあったり、「古い棟札は慶長14年(1609)9月21日、奉造立牛頭天王」とあったりするようなので、明らかに「牛頭天王社」だったようです。
しかも尾張の「津島神社」系列っぽいですね。
最初の「進雄神社」と表記するようになった「牛頭天王社」と、昔からの「素戔嗚神社」と表記した「牛頭天王社」と、二つの系列があったのではないでしょうか。
そして、それらが争っていたのではないか。
何を争っていたのかはさっぱりわかりません。
「進雄神社」系は祇園社系で、「素戔嗚神社」系が津島社系で、「牛頭天王社」の「元祖対本家」の争いでもしていたんでしょうかねぇ。
ま、今思いついた話なので、信用しないでくださいね。
参考文献:

- 作者: 川口謙二
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