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メインイベントを済ませまして、時間がある限り市内をぶらぶらしてみよう、ということで、まずは「尾山神社」へ。
◯こちら===>>>
北陸地方は全然詳しくないのですよね……もちろん、室町〜戦国時代もさっぱり……とはいえ、前田家の加賀国のことくらい少しは……ええと、一時期、一向宗に国を治められていたんでしたっけ……ああ、勉強が足りない……。
天気が良かった……。
鳥居越しの神門。
鳥居越しの神門(わかった)。
神門。
これは、そそる建物ですね……様式が素晴らしい……。
「尾山神社神門
尾山神社は、加賀藩祖前田利家を祀る神社として明治六年(一八七三)に創建され、神門はその正門として明治八年(一八七五)に建築されました。
当時前例のない和漢洋折衷のこの神門は、強いて伝統を踏襲せず、堅固をめざした、と言われています。
初層の三連アーチの骨組は、日本建築の技法で組まれた完全な木造で、外側の石積みには加賀藩を象徴する戸室石が用いられています。三層目は四方に四色のギヤマンが嵌められ、かつてはここに灯をともして金石近海を通る船に灯台の役目をしていました。
屋根頂部の避雷針は、現存する日本最古のものとされています。」
なるほど、存外新しい……とはいえ150年前ですか、素晴らしい。
神門内部。
こういう階段が好きです。
むう……竜宮城的な。
拝殿。
神門を遠方から。
拝殿を遠方から。
狛犬さん。
拝殿遠景。
菊桜。
神門遠景。
絵になる。
神門ばっかりですね。
境内をいろいろ巡ってみました。
黄金の蛙。
摂社の「金谷神社」です。
煉瓦造りの垣根に。
赤銅の屋根。
これはこれで、ちょっと異形です。
前田家の歴代当主と正室がお祀りされております。
隣にあった……なんでしょうね……。
何だかカオスな絵面です。
東神門。
元々金沢城の二ノ丸御殿の唐門だったと伝えられ、卯辰山(をを、卯辰山……)の「招魂社」に移され、昭和になってこちらにきたと。
優美な彫刻。
はい、「お松の方」です。
御朱印。
さて。
金沢市 編『金沢市紀要』,金沢市,大正13. 国立国会図書館デジタルコレクション
(参照 2024-12-11)
↑この辺りを観ておきます(引用にあたって旧字をあらためた箇所あり/判読不能文字は■に置き替える)。
p150です。
「尾山神社の建立
慶長四年利長卯辰山の麓に一祠を建立し、越中の物部八幡・榊葉明神を遷祠し卯辰八幡宮と号し前田氏の祈祷所としたが、其実は父利家の霊を祀つて主神とした、常に社殿を修理し祭儀を荘重に修め佳節朔望には藩士必ず参詣してゐた、廃藩のとき旧領地の士民祭祀を承継し、明治五年旧金谷殿の旧址に社殿を新築して尾山神社と改称し、三十五年別格官幣社に列せられた。
別格官幣社尾山神社の神門は旧藩士長谷川凖也・大塚志良兄弟の発意に成つた、明治七年初めて建設を計画し、金沢病院醫員の和蘭医学博士ホルトマンに設計を委嘱し、其設計に自己の考按を加へしめ、八年一月手斧式を挙げ十一月落成した、爾来其型が神門に相応しからぬを非難されてゐるが、一方に於て欧州文化吸収時代の唯一の遺物として保存の要を唱へられてゐる。」
この本が大正の発行ですから、その頃に「神門に相応しからぬ」と言われていたということは、当初はもっとだったのでしょうね。
よく残していただいた、と思います。
◯こちら===>>>
金沢市 編『稿本金沢市史』 社寺編,金沢市,大正5-14. 国立国会図書館デジタルコレクション
稿本金沢市史 社寺編 - 国立国会図書館デジタルコレクション
(参照 2024-12-12)
↑こちらにも「尾山神社」の記事があります(もう少し詳しい)が、摂末社についての記事もあるので、そちらを。
p35です。
「摂社金谷神社は、前田利長・前田利常を祀る、明治六年十一月、これを勧請せり、初め利長自像を彫刻して城内の社殿に置きたれど、慶長十年火に逢ひしかば、波着寺境内に新殿を造りて遷座し、仮に八幡宮と称し、明治元年神仏混淆を廃せられたれば、卯辰八幡社の相殿に祀れり、是より先き、利常の像をも、卯辰八幡の相殿に祀り、仮に天満天神と称したれど、これ亦同時に遷座せるにて、三十五年六月、摂社金谷神社と號せり、
末社榊葉神明宮は、豊受大神を祀る、往昔菊池武重伊勢に潜伏し、外宮に祈願して、榊一本を携へ、越中射水郡阿尾村に至り、榊枝を以て神明宮と称し、一祠を建てたるが、天正中、利家越中に入りて本社に祈願するところあり、慶長四年卯辰八幡社に合祀せり、
末社小松神社は前田利常の像を祀る、正保の頃、石川郡浦波村字土清水に祭り、陽に八幡社と號せしかど、明治八年十一月、今の號に改め、十二年十月、本社に合祀せり、
此他末社に少彦名社・稲荷社あり、又祖霊社に前田氏歴代の霊を祀る、」
こちらも大正の頃の発行です。
実在の人物の神格化というのは、現代になっても続いているものですが(神道式の葬式ももちろんあるのです)、やはり前田家、格が違う感じです。
さて、もうちょっとだけ、金沢を巡ってみます。