7/6。
何となくの思いつきで、遠出したくなり、車に乗り込んで東名高速一路東京方面へ。
一人で高速乗るなんてあまりしないなぁ。
向かった先は、「豊川稲荷」。
◯こちら===>>>豊川稲荷公式ホームページ TOP
出発時は晴れ、着いたら曇り。
晴天のときに写真を撮りたい、と思って決意したのにあっさり挫折。
いたしかたなし。
大型駐車場に駐車。
周辺の案内図を見てみると、他にもいろいろ見てみたいところが。
このキャラは「狐娘(ここ)ちゃん」。
豊川稲荷ではなく、「豊川稲荷周辺商店街」のマスコットキャラクターです。
お間違えなく(何を?)。
くせのないデザインに好感が持てます。
さて、
暗っ。
総門です。
銅板の貼られた、往時はさぞまばゆい門だったことでしょう。
十六羅漢の彫刻があるそうなのですが、見えず。
名匠・諏訪ノ和四郎、という人をはじめとした名工が彫ったそうです。
……美術に興味がないから、どのくらいの人なのかがさっぱりわかりません。
案内図。
結構、大きいんだな、というのが第一印象。
最初の鳥居をくぐって、右手にある寺宝殿をスルーして、「豊楽殿」という建物。
絵天井があるようですが、見られませんでした。
続いて「本殿」。
近くで写真を撮るのを忘れましたが……かなりの大きさです。
ホームページによれば、「明治41年起工、昭和5年完成」とありますので、二十五年近くかかっていることになります。
天気がよければ、もっと近くで……。
さて、「本殿」の脇を通りまして、
渡り廊下も潜りまして、
「奥の院」へと続く、「千本幟」の道です。
白地に赤の文字、というのがいわゆるお稲荷さんっぽくないですな。
「宝雲殿」という建物。
壇信徒の位牌を納めて法事を行う場所、だそうです。
檀家さんのために機能している、というのは重要なことだと思います。
続いて、「万燈堂」という建物。
名前の通り、昔は灯明を上げたところだったようです。
今は、座禅堂、だとか。
その横に、ひっそり、「宇賀神」を奉るお社が。
……ええと、「宇賀神(うがじん)」は、本来は、仏教の福神ですので、これはお社ではなくお堂、というのが正しいでしょうか。
「宇賀神」、様々な側面を持っていますが、一つには白蛇の神で、弁財天と同一とされています。
また、音が似ていることから、日本の「倉稲魂命(うかのみたまのみこと)」「保食神(うけもちのかみ)」などとも習合されます(「ウカ」や「ウケ」という古語は、食物のことをさしているので、名前にこれらが入っている神様は食物神だと思い込んでもオッケーです)。
五穀、そして漢字に現れているように、主として稲の守護神とされています。
そして、「稲荷」は「イネナリ」です。
「稲荷大明神」と言うときは、五穀を司るこれらの神のことを表しています。
「稲荷」に「宇賀神」を奉るのは、こうしたつながりからだと思われます。
「弘法堂」。
お大師様が安置されています。
「大黒殿」。
まるで狛犬のように、左右に大黒様がいらっしゃるのがなかなか面白いです。
「おさすり大黒天」。
「おさすり大黒天」。
「おさすり大黒天」。
意味も無く連呼したくなります。
真言「オンマカキャラヤソワカ」の「マカキャラ」とは、「マハーカーラ」、「大いなる暗黒」を意味する梵語です。
だから、「大黒天」なんですね。
「大暗黒天」と書いたりもします。
音が似ているので、「大国主命」と習合されたのでした。
ちなみに「マハーカーラ」はインドでは最強クラスの破壊神です。
さて、いよいよ、稲荷らしさを爆発させるスポット。
「霊狐塚」です。
一番奥に、こうしたお社があるのですが。
狐。
狐狐。
狐狐狐〜。
パノラマで撮影しても、狐ばかりでございます。
信徒のみなさんが納めるので、1000体以上になっちゃったそうです。
壮観。
というか……ちょっと怖い。
夜に来たら、多分目が光ったりするんですよ。
多分。
「奥の院」。
終点です。
建物より、樹がすごいです。
「納符堂」。
お札を納めるところです。
かなりでかい、灯明台。
「景雲門」。
元々、拝殿だったものを移築して門にしたそうです。
確かに、門にしては変わった造りだな、と思ったものです。
どの辺りが……と言われると思い出せませんが。
「三重塔」。
もう暗い暗い……。
庭園。
何のことだかわかりゃしません。
「本殿」に続いて大きな建物「法堂」。
通称「本堂」。
……その通称、いるのか?
こちらに、千手観音菩薩が奉られています。
「今から五百五十年前東海義易禅師によって創立されて円福山妙巌寺の中心を占める建物」で、「現在の建物は、天保時代二十四世の重職によって新築されたもの」らしいです。
「豊川稲荷」は、寺としては「円福山(豊川閣)妙巌寺」というんですね。
そして、書き忘れていましたが、曹洞宗のお寺です。
「最祥殿」。
「……二十九世黙童禅師の揮毫による「此處最吉祥(このところもっともきちじょう)」の大額が正面に掲げられている……」
からこう呼ばれるのですが、なにせ建物を撮り忘れるという……。
立て札にあるように、とにかくでかい建物でした。
「鎮守堂」。
祭神は、白山妙理大権現。
道元禅師を守護した、ということですが、もともとの「白山神社」は加賀にあり、越前には曹洞宗の大本山永平寺があります。
曹洞宗が広がっていく過程で、何らかの手助けを、白山神社系の人たちがしたのではないか、ということだそうです。
白山の神は、他にもいろんな人の守護神になっているので、いろんな人に手助けをしたんでしょう。
と言うことで、ざっと見てきました「豊川稲荷」。
「法堂」に奉られているご本尊は千手観音でしたが、「本殿」に奉られているのは「吒枳尼天」です。
元々、「ダーキニー」というインドの鬼神で、密教では「6ヶ月前に人の死を予知する能力」があったといわれています。
人を食う(正確には、人黄と呼ばれる、人のどっかにある器官を食べる)鬼神だったんですが、「大黒天」に脅されて、死人の肝しか食べられなくなったそうです。
インドでは、餓鬼のような姿をしているんですが、日本に渡ってくると天女形に変わっております。
ついでに、狐(一説にジャッカルではないか)に乗っております。
稲荷大明神の神使が「狐」だったことから(何故、稲の神様の使いが狐なのか、についてはまた諸説ありますが、多分ですけど、色としっぽの形が、稲穂に似ていたからじゃないかと思います。あと、春から秋にかけては人里に降りてきて、冬場は山に帰るという習性が、そもそもの山の神崇拝と合致したのではないか、とか)、「稲荷=吒枳尼天」ということになったのでしょう。
「吒枳尼天」を巡る話は、また大きなものがあり、中世以降、何故かよくわかりませんが、その呪力が絶大だとして皇室にまで広まった「吒枳尼天法」の話とか、誰かに聞いてください。
あと、神使の「狐」が宝珠(火の玉)をくわえていたり、「稲荷神社」の鳥居が赤く塗られているのは、炎の象徴だと言われています。
一つは、「野焼き」のことじゃないか、と思います。
もう一つは、「炎=穂の尾」で、やっぱり狐の尻尾にかけているのではないか、と。
そんな豊川稲荷、初詣の人では全国トップ10くらいに入るんじゃないでしょうか。
参道では、名物「稲荷バーガー」が食べられたりしますので、一度ご参拝を。
朱印帳の名前も、こちらで書いてもらっちゃいました。
ただ、乾く前にしまったので、にじんじゃいましたけども……。
<参考文献>
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