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神社仏閣ラブ(弛め)

「三光稲荷神社」

7/12。

「針綱神社」の隣にある三光稲荷神社を引き続きお参り。

 

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三光稲荷神社 « 犬山観光情報

 

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犬山城主成瀬氏歴代御祈願所

犬山城郭内御鎮座

祭神(御三柱)

宇迦御魂大神

佐田彦大神

大宮女大神

 

発祥御由来

往古は城内三光(三狐)山に座しませり

織田信長公の叔父織田信康に深く尊崇せらりたり

古来より民の霊験灼然なれば犬山城主成瀬氏は歴代の守護神とせられ威霊を仰ぎ給ひて種々の神宝を寄進せらる不可思議なる霊験に衣り数々の利益を得て国土平和を打建てられ成瀬氏の遺業も又天下燦然たり

(中略)

昭和三十九年現在の位置に遷座し拝祀奉れるものなり」

 

犬山城」というところは、2004年まで、個人所有の城だったことで有名……ですか?

いや、すみません、私、城には疎いもので。

とにかく、かつては城内にあったものを、昭和三十九年に遷したようです。

 

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百度石。

 

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本殿へ上がる階段の脇にある、小さなお社。

 

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拝殿。

妻入ですね。

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摂社(?)の「三狐地稲荷社」。

名前からして、「元々、三狐地山にいらっしゃった稲荷」様なんでしょう。

元宮、という言い方もおかしいかな。

 

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「御縁の松と女陰石

御縁の松は、当社御祭神大宮女大神歌舞、音楽の御祖神の御神慮により、遥か五キロ東南の地に吾が神霊をもって、育てられしものなり。

のち此の神庭に移して、あまねく諸人の幸なる良縁・請願成就を叶え給わる神木として祭られり。

女陰石は、この御縁の松の御導きにより、良縁を得られし信者が、さらなる子宝と安産を誓願するために奉献されたもの。女陰は神秘にして且つ崇高なり。(以下略)」

 

大縣神社」のお祭りといい、やけに女陰を前面に出している気がします、犬山。

特別に子供が生まれにくかったわけでもありますまいに。

 

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「姫亀神社」。

そういえば、「大縣神社」にも、「姫之宮」がありましたね。

逆に、女性の力が強かった土地なのかな。

 

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この蹄鉄に「馬」の裏返しの文字、どこかで見たなぁと思ったんですが、

 

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↑「多度大社」でした。

絵馬まで追いきれません……。

何でも「左馬」というそうで、

 

「「馬」の字を左右逆に書いた文字。縁起物の文字とされる。 〔「うま」を逆に読んだ「まう(舞う)」が古来めでたい席で催されるからとも,「馬」の字の下の部分を財布の巾着に見立ててお金がたまるからとも言われる〕」

 

↑とweblo辞書にありました(花柳界では、三味線の胴に左馬を書いて縁起を担ぐ風習もあったとか)。

 

 

 

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拝殿脇に、「おもかる石」なんかがありました。

神紋が鮮やかですね。

 

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神輿。

 

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連ね鳥居をくぐっていくと、「針綱神社」から降りてきた道に出ます。

 

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その最後に「奥之院」が。

 

「狐女郎神

女の願い、なやみごと等お願いして下さい」

 

「なやみごと」を「お願い」してはいかんと思います(日本語的に)。

それにしても、女性絡みの色の強い神社で。

 

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覗いてみました。

右にある石碑には、確か神名が刻まれていたと思いましたが……。

 

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本殿。

緑がまぶしくてよくわかりません。

 

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拝殿前では、銭洗いができます。

 

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三光稲荷神社」の隣に、「猿田彦神社」があります。

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……行かれるとわかりますが、何か、「ぎゅっ」とした感じです。

前後に「ぎゅっ」と。

元々の御鎮座地から動かされているので、致し方ないのでしょう。

 

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「山之神」と。

 

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「虫鹿子守神」。

 

延喜式神名帳』には、丹羽郡に「虫鹿神社」があると書かれています。

あ、今もありました。

そこの神様かどうかはわかりませんが、同じ犬山にありますし、何か関係がありそうです。

 

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遠景。

 

さて、「三光稲荷神社」ですが。

ずっと犬山城内にあったんですから、『尾張名所図会』には載りませんよね……。

神社でいただいた御由緒書をちょっと引用してみます。

 

「宇迦御魂大神

今更註を入れるまでもなく、大神は、伊勢下宮(げくう) 豊受の大神と御同體にて五穀を始め全ての食物及び 蚕桑等の事に魂幸ひ給ひ幸魂を屋船命と申して家屋、商売繁昌 家内安全の御護り給へり。

然れば此の大神は人の生活(たつき)に一日たりとも欠く事の出来ない衣、食、住の大恩神に座します。」

 

「ウケ」「ウカ」「ミケ」といった言葉は「穀物」を表していると言われています。

というより、「ケ」ですね。

「ウカ」と「ウケ」と、どちらが古いのかは私にはわかりませんが。

「ケ」が「穀物」なので、「オオゲツヒメ」は「穀物の神」です。

「ウカノミタマノカミ」も同様に、「穀物の神」。

伊勢神宮外宮」の御祭神である「トヨウケヒメノオオカミ」は、一歩進んで「食物の神」とされています。

同じ「ケ」の神なので、習合して考えられることもあります。

また、「屋船神」は、

 

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建築の神 - 古代史Wiki by tokyoblog

 

↑で紹介されていますが、上棟祭(むねあげのまつり)でお祀りされる「屋船豊宇気姫命(やふねとようけひめのみこと)」、「屋船久久遅神(やふねくくのちのかみ)」などを指しています。

ククノチノカミ」は「木」の神で、「トヨウケヒメノミコト」は「草」の神(なので、「鹿屋野比売神」「草野神」に近い)でしょう。

「ケ」は、「穀物」に代表される、「木」よりも背の低い「草」類を指しているんですね、きっと。

 

猿田彦大神

大地御祖(おおつちみおやの)大神と申し、『天孫』瓊瓊杵尊我が国土に降りし給ひし時途中に御出迎え申上げて先駈(おさきばらい)の事を為し給ひしより海陸交通の安全を護り自然通商貿易の事にも魂幸ひ給ひ土の御祖として普く田畑、山林、宅地の凶を払ひ給ひ 総て万人万事を善良き方向に誘ひ導き給ふ大神に座します。

特に交通安全の御護り被下る大神に座します。」

 

サルタヒコ」は「嚮導の神」ですので、「道の神」となり、「道祖神」になりました。

 

「大宮女大神

天之受売命と申し上げ 天照大神を天之磐戸御広前に於て神楽を面白く楽しく舞い奏で給ひしより神楽、舞踏の始祖として歌舞、音曲等の事に魂幸ひ給ひ、又鎮魂祭りも此の大神の遺跡にして寿命の延長を護り、且つ商売繁昌一家の親睦、社交、和合等を守らせ給ふ大神に座しますなり。」

 

これらの三柱の神は、稲荷神社総社である「伏見稲荷大社」にお祀りされています。

伏見稲荷」では、「猿田彦大神」を「佐田彦大神」としているので、境内入り口の由緒書きにはそう書かれているのでしょう。

 

さてさて。

「三光」という名前ですが。

これは元々「三狐」だったらしく。

さらに言えば、「三狐地」だったようで。

この辺り、どちらが古いのかわかりませんが。

仮に「三狐地」だったとすれば、これは「シャグウジ」神のことだと思われます。

柳田国男に、『石神(しゃくじん)問答』という本があり、その中で「シャグウジ」という神に当てられる字として、

 

「左宮司、社宮司神、左久神、作神、左口神、社口神、佐護神、石神、三宮神、三狐神、蛇口神」

 

などが挙げられているそうです。

え?

ああ、

 

 

 

読んでませんよ。

 

 

 

どこかにしまってある気もしますが……。

「三狐」であっただけでなく、「三狐地」と書かれたことがあるのであれば、「サコチ」←「シャグジ」←「シャグウジ」と変化したものなのは確実っぽいです。

で、この「シャグウジ」神なんですが。

 

 

 

よくわかりません。

 

 

 

諏訪の氏神である「ミシャグチ」神ではないか、と考えられています。

関東〜関西にかけて、「三狐神社」や「社宮司神社」というところが、かなり見受けられるそうです。

地元の名古屋にもあります。

ただ、大きな神社ではないんですよね。

元々の「ミシャグチ」神の信仰は忘れられて、「シャグウジ」神としての信仰がかなり広まったのだと思います。

何の神様なのかよくわからないんですが……。

いずれ考えてみたいと思います。

 

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日本の神様読み解き事典

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