12/3。
まだ時間がありましたので、検索検索……で発見した、「空鞘稲生神社」へ行ってみました。
◯こちら===>>>
↑公式HPです。
看板。
参道入口。
太田川沿い、グリーンアリーナは目と鼻の先、ナイスな場所に鎮座されておりました。
拝殿。
天水桶……にしてはちょっと小さい気がします。
拝殿、別角度。
境内社の「恵美須神社」。
「寛政十年(一七九九年)の勧請」で、「明治三十五年三月」に併合した、と。
拝殿遠景。
狛犬さん。
玉。
「幸神社」。
御祭神は「猿田彦大神」、創建は「天文年間」で、「彦山明神」と呼ばれていたそうです。
「猿田彦」の「彦」なのか、そういう地名だったのか……。
「稲生神社」。
狛犬さんその2。
若干、怪獣っぽいです。
御朱印。
ダイナミック。
……あら、また写真が少ないな……。
さて、神社でいただいたパンフレットによれば、御祭神は「宇迦之御魂神」「宇氣母智神」「和久産巣日神」、とのことです。
「ウカノミタマ」は「稲荷」の御祭神で、「稲生」と表記することも多いように思います。
「イネナリ」の音が変化して「イナリ」、そこから「イナオ」「イナウ」になった、ということでしょうか。
どこかで語源に関する記事を読んだ気がしますが……有名な、秦氏が餅を射って云々、ってやつはともかく、稲が「イネ」と呼ばれた時代、そこから「イネがナル」という言葉が生まれて、縮まって「イネナリ」になって、「イナリ」「イナオ」「イナウ」、という誰もが考えつく流れなんでしょうねきっと……で、こちらではそうではないようですが、基本的に「稲荷」の神使はキツネになっておりまして、何故なのか。
たぶん、いろんな人が説明していると思いますので、そちらを確認していただければ、と。
個人的には、キツネの体色と、尻尾が、実った稲穂に似ていたのが大きいのではないかな、と思っています。
御由緒は、
「古書に「空鞘神社の縁起は甚だ古く、勧請の年紀詳らかにするも由無なきも後陽成天皇の御宇豊臣秀次未だ関白たりし文禄元年壬申の歳、毛利輝元陰陽両道に跨る太守として広島城郭の築城を告ぐるの時枯萩寒草の間此の地に二社あり、大を空鞘大明神、小を彦山明神という」とあります。この他の私記等の諸書によれば天文年間の御創建ということです。その後隆興の一途をたどり、毛利氏の崇敬なかなか篤くかなりの社領をも有していました。
天保五年(一八三六)社殿を造営、明治五年(一八七二)社格を村社に列せられました。同四十年(一九〇七)神饌幣帛料供進社に指定され大正八年(一九一九)社殿を新築し神域を拡大、当神社より南舟入まで、及び中島、吉島一円の産土神として社頭も非常な賑わいを見せていました。昭和二十年(一九四五)八月六日原子爆弾によりすべて灰燼に帰しましたが、同二十八年(一九五三)十月復興され現在に至っています。
「空鞘」の名は、社頭の松の大木に刀の鞘のみが掛かって居たことによりその社名になったと伝えられており、昭和四十年の町名改正まで神社周辺は空鞘町と称していました。」
とのことです。
なるほど、広島の歴史に関しては、「毛利輝元」のことを勉強しないことにはいけない、ということですね……ふぅ……戦国時代のことはわからんです……ちょっとずつ勉強してはいるんですけれども。
「陰陽両道に跨る」というのに反応して、すわ陰陽道絡みの怪しげなネタか、と思ったのですが、「山陽道・山陰道に跨る所領」という意味ですね……そりゃそうだ。
◯こちら===>>>
『備後叢書』の第4巻から(引用にあたって旧字をあらためた箇所あり/判読不能文字は■に置き替える)。
19ページです。
「虚鞘明神 在今府治西、未知祭何神也。」
……うん、以上。
どうも、この「芸備国郡志』というのは、寛文年間(ですので1661〜1673)辺りに書かれたもののようで、当然「毛利輝元」の時代よりはあとなのですが、まだその頃は隆盛していなかったようですね。
「未知祭何神也。」ですから。
ただ、この『芸備国郡志』という本は、『備後叢書』に入っているということで、安芸国の人ではなく、備後国の人が書いたようです。
そこまで安芸国のことに詳しくなかったのかな、という可能性もあります。
◯こちら===>>>
広島みやげ : 附・安芸の宮島 - 国立国会図書館デジタルコレクション
↑前回も引用した『広島みやげ』という本から。
20ページです。
「空鞘神社 空鞘町に在る郷社なり、祭神は宇迦之御魂神、宇氣母智神、和具産巣日神にして、当社は毛利氏の築城以前より大小二社ありて、一は空鞘明神と称し、一は彦三之神社と称したる由、宝物の大盃一個は漆器にして、能登国輪島木地屋八兵衛の作なりといふ、尚厳島神社と白神社に各一個あるが合すれば一組となると云へり、如何にや。」
神社のパンフレットとあまり違いはないですね(宝物については、よくわかりません)。
これにて、広島プチ巡礼も終了。
さよなら2017年……。
で、もう2018年も12月になろうとしているのですな……ふぅ。