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「日吉大社」を後にしまして、境外摂社である「唐崎神社」に向かったのですが、駐車場がなく、市営の駐車場を素通りしたため、やむなく「近江神宮」へ。
○こちら===>>>
駐車場が結構奥のほうまで案内され、参道をまともに通らなかった……というわけで、駐車場から楼門へ向う途中。
何やらイベントが開催されていたようです。
参道側を振り返っての鳥居。
境内図。
いろいろと歌碑が置かれているのが特徴なのかしら。
「由緒
御祭神 天智天皇 天命開別大神御祭神は第三十八代の天皇であるが、はじめ中大兄皇子と申上げ、今を去る■千三百年の昔 大化改新の大業を■■ばされ、我が国古代に於ける■国の体制を確立せられ、雄大な建国の理想を■■■られた中興の英主であらせられる。
神界に坐しては、天命開別大神と称えられ、万物の運命開拓のことを司掌し給う宝位につかれ、吾等が運命の開■をはじめ、明治維新の大業も現■の■■■しい文化的飛躍もその冥助によるところとして敬慕して 「世直しの大神」「開運の大神」と信仰されている。
又小倉百人一首の「秋の田」の御製で昔から国民に親しまれ「学問の神」「御恵の神」と崇められると共に御存世の時初めて漏刻台を置き、時刻を国民に開知せしめられた御事蹟により時計関係の祖神と仰がれている。
当神宮はその御聖徳を敬仰する県民■廣の請願が発端となり官幣大社として昭和十五年十一月七日御鎮座になり 爾来例祭は毎年四月廿日勅使御参向■■■に厳修されて今日に至る。」
……新しい由緒書なのにあんまり読めない、と。
「天命開別天皇(あめみことひらかすわけのすめらみこと)」というのが、「天智天皇」の和風諡号ですので、神号はここからとったものと思われます。
楼門への階段。
紅葉が綺麗ですが逆光。
楼門。
鮮やかです。
いきなりですが、外拝殿から内拝殿方面を写しています。
参拝順路。
栖松遙拝殿(せいしょうようはいでん)。
公式HPから引用しますと、
「かつて高松宮家の邸内社・御霊殿として有栖川宮家以来の御霊を祀っていた建物が、高松宮家廃止にともない、平成18年近江神宮に移築されました。遙拝式はここで行われています。」
とのことです。
なるほど、現代宮家のものもある、というのはなかなか貴重ではないかと思います。
栖松遙拝殿の入り口。
外拝殿。
何やら工事が行われていたようです。
紅葉と、白地の石灰岩でしょうか、灯篭・狛犬も鮮やかな対比です。
うん、違うな……白塗りされているだけかな。
外拝殿奥に覗く紅葉がポイント。
火時計。
古代中国で使われていたものらしく、龍の背に糸で玉を吊るし、龍の背にそって線香か何かを燃やし、玉の落ちる音で時刻を知った、というようなものらしいです。
漏刻。
段々の部分を水が流れ落ち、最後の段の目印がどれだけ浮いてきたか、で時刻を知るものだったと思います。
境内には時計館、という展示施設がありますが、今回はスルー。
外拝殿全景。
さすが神宮とつくだけはある、という立派な建築物です。
背景との調和も美しいです。
戻ってきました。
御鎮座が昭和十五(1940)年なので、『近江輿地志略』なんかをたどるわけにはいかないので、『日本書紀』より。
天智紀十年四月の条です。
「夏四月の丁卯の朔辛卯に、漏剋を新しき台に置く。始めて候時を打つ。鐘鼓を動す。始めて漏剋を用ゐる。此の漏剋は、天皇の、皇太子に為す時に、始めて親ら製造れる所なりと、云々。」(岩波書店『日本書紀(五))
また、斉明紀六年五月の条に、「天智天皇」(当時は「中大兄皇子」)が初めて漏刻を作った、という記事があります。
中央集権化を進めるにあたって整備するものは、度量衡、官僚制などいろいろありますが、人の動きを支配するという意味で「時」を明確にすることも、一つ重要な要素なのでしょう。
『日本書紀』は、「天武天皇」の正当性を知らしめるために編纂されており、そのため「天智天皇」はどちらかといえば、不甲斐ない感じに描かれています。
とはいえ、滋賀県の人にとってみれば、都を開かれた偉大なお方だと思いますので、明治以後の、天皇を中心とした国家神道に呼応して、神社を建てたい、という気持ちはわかります。
「天智天皇」と「大友皇子(弘文天皇)」は、「天武天皇」方に滅ぼされているので、何なら怨霊になったっていいのですが、そういった記録を見た記憶がありません(あったらすいません)。
ということは、それほど無下には扱われなかった、ということなのでしょうか。
あるいは、「天武天皇」方に無謬の正当性があり、かつ臣民もそれを支持したので、怨霊化することもできず、放置されたのでしょうか。
実はこっそり「持統天皇」あたりが何かしているのかもしれません(「持統天皇」は、「天智天皇」の娘です)。
御朱印。
本当はのんびり時計館なども回りたかったのですが、どこで何をやらかして祟られたのか、急な腹痛にしばらく苦しみまして……(コンビニで食べた何かがあたったか……)。
車の中で休んでいるうちに時間が過ぎていったので、いそいそと次の目的地に向かった次第です。
う〜ん、あっさりめ。