べにーのGinger Booker Club

神社仏閣ラブ(弛め)

「泉龍山桃巌寺」(名古屋市千種区)

4/11。

千代保稲荷名古屋支所」から歩いて10分ほどのところに、「泉龍山桃巌寺」があります。

 

○こちら===>>>

www.city.nagoya.jp

 

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「桃巌寺

泉龍山と号し、曹洞宗

天文年間(1532〜55)末森城主織田信行が、父信秀の菩提を弔うため、末森村二本松(今の穂波町付近)に創建。恵心僧都作の聖観世音菩薩を本尊とし、弁財天画像を守護神として祀る。

桃巌寺の寺号は信秀の法名「桃巌道見大禅定門」からとられている。この地へは正徳四年(1714)に移された。」

 

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「東山辨天」の石碑の方が大きいです。

 

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門。

 

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突き当たりのお堂(?)。

 

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一気に本堂まで飛んでしまいました。

堂内に入ることができます。

写真はありません。

 

境内がまた結構なワンダーランドでして。

 

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「慕情観音」。

 

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裏の墓地への道。

 

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動物の供養塔と納骨堂(奥)、だったと思います。

 

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供養塔の前の階段を降りると、いきなり出現します、大仏さま。

 

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手。

比較物がないので大きさが今ひとつわかりませんね。

 

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「名古屋大仏 坐高10米

仏教の三法印

諸行無常(ものごとは、みな移り変る)

諸法無我(ものごとは、みな、持ちつもたれつ)

涅槃寂静(ものごとは、すべて、調和したとき安定する)

昭和62年秋 開眼法要厳修」

 

地下鉄の駅で言いますと、本山駅と名古屋大学駅の間くらい(本山の方が近いかな)。

実は、わりと地元なんですが、20年以上過ごしているのに、こんな面白いものがあるとは全く知りませんでした。

なんでなのかなぁ……と疑問は疑問なのですが。

 

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ちょっと修正しすぎました……。

 

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大仏さまの近くには、名古屋市文化財の「四方竹の群生」が。

 

「別名を角竹ともいう。

昔、弁才天とともに竹生島より贈られたもの。秋に筍の出る変種で境内に群生している」

 

なるほど、こちらの「弁天」さまは、琵琶湖の竹生島からいらっしゃったようで。

再び境内に回りまして、北の方へ。

 

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「宝幢の由来

尊勝仏頂尊の宝幢であります。経説によりますと、宝幢に近寄りし時に幢影が我身に映りし時は其の加被力により、萬難消滅し或いは宝幢の上に積りし塵や、又は木の葉が風をたよりに我身にふりかかれば、其の因縁功徳により、寿福無量無辺なりと説かれてあります。

矧んや至心に(一生懸命に)宝幢を三匝せば如何なる悪事災難も免れ、寿命福徳も願いのままに成就します。

皆様欺誑されたと思い、一度宝幢の廻りを三匝して下さい。必ず霊験は顕著であります。」

 

三匝するときは右回りです(右繞三匝)。

 

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奥の建物はなんだっけな……。

 

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宝幢の近くから、大仏さまが見えます。

えらくシュールな感じ。

 

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……なんでしょうね、これは。

ワンダーランド。

 

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「宝幢の歌」というのもありました。

 

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最初に入った門から直進して突き当たり、左に曲がるとこちらの門があります(これは、裏から撮影しています)。

どうもこちらは、「龍宮造」というそうで、

 

○こちら===>>>

国立国会図書館デジタルコレクション - 苫小牧駒澤大学紀要. (12)

 

↑に論文が掲載されていましたので、一部引用します。

 

「ここで対象とする竜宮門とは、建築学においては「龍宮造(りゅうぐうづくり)」と呼ばれる形式の門であり、「龍宮門(りゅうぐうもん)」は通称である。また、楼門の形式の一つと説明されることが多いが、楼門の第二層がないものや、鐘楼門の形式も多いので、これらも龍宮門として一括して扱う。

(略)

桃巌寺

(略)

鐘楼門(不老門)
通称、名古屋弁天と呼ばれている。終戦後、門を東から南へ移転改築し、弁天堂にくっつけて作った。その時に柱が六本から八本であったものに袴腰をつけた。昭和二十七年には既にそうであったからそれ以前のこと。」

 

だそうです。

 

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本堂を脇から。

 

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織田信秀」公の廟、だそうです。

 

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妙に神秘的になっちゃいました。

 

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こちらが表。

狛犬さんがいます。

 

この門の左手に池がありまして、その手前に、

 

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怪しげな水盤が……。

 

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手水鉢……鉢か?

 

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こちらが池です。

日月が浮かんでいます……怪しい。

 

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小さな石の仏様があったのですが……はて、怪しい?

 

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朽ちかけのお堂。

鈴が下がっているところを見ると、神様のようです。

あまり中をじろじろと見るのは憚られたのですが、何やら文字が見えました。

なんだったかなぁ……あ、「印鑰童子」だ。

密教辞典』によれば、「弁財天」の眷属である「十五童子」の一つだそうです。

 

密教辞典

密教辞典

 

 

ただ、名称は『宇賀神王陀羅尼経』という偽経によるそうなので、「俗な名称」だとか。

 

このお堂を左に曲がると、弁天堂があります。

 

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がその前に……怪しい……。

 

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石灯籠には、「弁財天」の眷属である蛇がくねくね。

 

お堂の全容が、アングルの問題で撮影できなかったのですが、

 

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大きな香炉が。

 

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十二支が刻まれています。

 

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台の部分……むむむ、あ、怪しい……。

 

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お参りをして、寺を後にします。

 

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日月の池を反対側から。

 

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参道から撮影した弁天堂

さっぱりわかりません。

 

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「諸車乗入禁止 山門内が狭く樹木も痛むし」

 

……女子高生?

 

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道路を隔てた向かい側から見る「桃巌寺」。

インド風の尖塔のあるところが弁天堂だと思われます。

 

さて。

 

○こちら===>>>

国立国会図書館デジタルコレクション - 大日本名所図会. 第1輯第8編尾張名所図会

 

↑から引用です(引用にあたって旧字をあらためた箇所あり/判読不能文字は■に置き替える)。

287コマ。

 

「泉龍山桃巌寺
同村にあり。曹洞宗白坂雲興寺末。天文年中織田武蔵守信行建立して、其父備後守信秀の香花の地とし、快翁和尚を以て開基とす。桃巌は則信秀の法号なり。信秀の父子及び柴田勝家の位牌あり。」

 

「白坂雲興寺」というのは、

 

○こちら===>>>

雲興寺 - Wikipedia

 

↑愛知県瀬戸市にあるお寺のようです。

「桃巌寺」のある千種区の本山周辺は、昔は山田郡に含まれていたと思いますので、同じ郡内ですね(距離は結構あります)。

尾張名所図会』の記述はあっさりとしたもので、大仏さんはもちろん、弁天堂のことも書かれていません。

うーん……と思い、ネットを検索してみると、

 

○こちら===>>>

無数の男根と真緑の大仏様「名古屋大仏・桃巌寺」【愛知】 :日本珍スポット100景

 

↑のブログが見つかりました。

もう、こちらを読んでいただいたらわかると思います。

以前のご住職がヒンズー教の神々に刺激を受けて、リンガ(陽根)をあちこちに配されているのだとか。

なるほど、一連の怪しさはそういった理由だったのですか……。

しかも、こちらのブログ主が参詣されたときは、「16歳以下の団体」の入苑を断っていたのだとか。

そうですよねぇ……溢れ出す妄想で「できないことはない」年代が集団で訪れたりしたら、寂漠とした雰囲気が台無しになること請け合いです。

私も、小学5年の頃に曼荼羅に興味を持ったがために、中学2年の頃でしょうか、小さいギャラリーで行われていたインドの曼荼羅展に(親に)連れて行ってもらい、そこで買った本には男女和合で踊る仏像の数々が……という経験をしたことがあります(?)。

 

 

そりゃ、いくら地元でも、なかなか学校じゃ教えづらいわけです……。

 

この年まで知らなかったことも、頷けます。

上記ブログで紹介されている「ねむり弁天」の由来なども知りたいところです。

 

御朱印はなさっていないということでしたが、なかなかに異彩を放つワンダーランドでした。

街中にあって、喧騒と隔絶し、異なる世界を覗き見るような体験ができる、というのは他にはないと思います。

もちろん、敬虔な檀家さんもいらっしゃいますので、お参りされる際にはあくまで静かに、お願いいたします。

個人的には、日月の池、が印象的でした(大仏さまよりも?)。