べにーのGinger Booker Club

神社仏閣ラブ(弛め)

「萱津神社」

5/3。

西区の探索をぶらっと終えまして、どこへ行こうか。

車に乗り込んで、名古屋をちょっとだけ出ました。

行った先は、「萱津神社」

 

◯こちら===>>>

塩風土記 - 公益財団法人塩事業センター

 

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こちらは、「漬物祖神」と言われている、全国的にも珍しい神社、らしいです。

 

 

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堤防から一歩入ったところに鎮座しています。

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石柱には、「阿波手乃杜」と彫られています。

 

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「香の物祭

香の物祭は、例年八月二十一日、当萱津神社香の物殿にて香の物大祭及漬込み神事として行なわれてきており、名古屋市熱田神宮への特殊神饌としても古来より献進されている。」

 

お漬け物のお祭があるのですね。

もちろん、大事な神事として、です。

 

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「由緒

祭神 鹿屋野比

阿波手の杜に神鎮ります萱津神社は漬物発祥の地 漬物祖神・良縁の神として広く崇敬が寄せられている古社であります。

社叢は歌枕「阿波手の杜」又尾張八景の一に数えられ多くの詩歌が詠まれている

 

特殊神事

献榊祭 四月第二日曜日

香の物祭 八月二十一日

例祭 十月九日」

 

「歌枕」というのは、wikipediaによれば、

 

「古くは和歌において使われた言葉や詠まれた題材、またはそれらを集めて記した書籍のことを意味したが、現在はもっぱらそれらの中の、和歌の題材とされた日本の名所旧跡のことをさしていう。」

 

だそうです。

「阿波手の杜」は、名所としての名称なのですね。

 

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新緑も目に鮮やかな時期でした。

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……ご神木だったかな……。

 

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拝殿。

 

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尾張国神明帳に従三位萱津天神と所載、貞治本国帳に従一位上萱津天神と記す。昔 草ノ社(かやのやしろ)または種の社(くさのやしろ)と称し和歌で知られる阿波手の杜(あわでのもり)に神鎮まります古社であります

太古 民族が肥沃な地を求め移り住み 此の地に野を司る鹿屋野比売を奉祀したのが始りとされる

当時の住居は茅・草葺きのもので有ったことから建物の神と崇敬を得ると共に全国唯一の漬物の神また縁結びの神として広くご崇敬を得ている

室町時代初期には国守萱津左京大夫頼益公が神田六十貫文を寄進し元和年間には時の藩主徳川義直公より香の物領として石高五石八斗余の農地の寄進を受け明治初年まで続いた 昭和に入り社殿のご造営 境内の整備を行い終戦時には県社扱いの神社に認められた

今日の本殿は昭和二十二年に 社殿は昭和四十八年に 会館は平成十一年にそれぞれご造営がなされたものである(以下略)」

 

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本殿の脇を通って、奥に進んでいくと、「香の物殿」があります。

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「香の物殿由来

当神社は往古草の社と称せられ鹿屋野比売神を奉祀し※※※に遠近の諸人深く尊信し奉り諸※菜の初生(はつなり)を献上しかつ当時※※※塩を産せしところその初物おも献上せりかくて年々多く供物の空しく朽ちはつる※惜しみ心きたる里人とも神前に一甕を備へて献上の供物を投入せしむを神慮威応して自然に程よき塩漬物となり而して諸病本復の御符にとて諸人※て之を拝戴せり 日本武尊東夷御征討の御途次当神社に御拝ありこの漬物の霊験灼然なる由来を以聞せしに殊の外御称美ありて薮の香物と宣へり是より其の名よく人口に膾炙※実に本邦漬物の濫※なり武尊の御霊熱田に神鎮りませし後村人等※※※忍ひす相謀して神宮に奉献せり爾来星霜二千年の久しきに亘り例祭※※祈念新嘗の四祭特殊神饌として神宮に献上し来れり(以下略)」(一部漢字改変/不明な文字は「※」で置き換えた)

 

日本武尊」の時代には、既に漬物を作っていたということなので、大層な歴史です。

この「香の物殿」も、珍しい造りといいますか、茅葺屋根に土壁という、神社では普通見られない形です。

 

他、

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「金山社」と「銭神社」。

 

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「八剣宮」と「白龍社」。

 

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「照霊社」。

 

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「連理榊由緒

三大実録貞観十九年の章下に尾張の国より朝廷に連理木を奉ると記せる霊樹にして実に壱千百余年の樹齢を保する昭和二十八年奉安殿に祀る古来縁結びの榊と称せられ霊験灼然たり」

 

「連理」というのは、あれです。

「連理比翼」……ええと、白居易ですか、『長恨歌』。

対になっていて離れがたいものの例えで、深い愛情の象徴です。

連理の枝」というのは、日本中にありますが、珍しいものでもあるのでしょう。

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↑今の「連理木」のようです。

朝廷に献上したくらいですから、一度はぶった切ったんでしょうか。

それとも、枝だけでしょうか。

枯れてしまったので、奉安殿に納めた、ということのようです。

 

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本殿を横から。

 

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いただいた由緒書には、札に書かれていた内容が、もう少し詳しく書かれています。

 

「阿波手の杜と呼ばれたのは、日本武尊伊吹山で傷ついてここにたどり着いたけれど、傷が重かったので、使いの者を宮簀姫(みやづひめ)のところにやった。姫は尊のところに向かったが、既に尊は旅立ったあとで、悲嘆にくれた。その姿を見て、「不遇(あわで)の杜」と言うようになった。尊は、姫を会えなかったことを残念に思い、後世の者が自分のような思いをしないようにと雌雄日本の榊を植えられた。これが連理の榊である」(要約)

 

↑日本の神様の基本的な神威が見て取れます(といっても、他人が勝手にそう思っているだけですが)。

 

「自分が◯◯だったから、他の人が◯◯にならないように」

 

結婚がうまくいかなければ、結婚がうまくいくような神威(御利益)を。

目に怪我をしたら、目に怪我をしないような神威(御利益)を。

自分が求めて得られなかったものを、自分の子孫に与えよう、というのが日本の神様の基本的な神威です(と言われています)。

「因果応報」のような思想はどの文明でもあるのでしょうが、日本人はこれを「回避」するためのメカニズムとして、神様を祀っているのです。

「毒を以て毒を制す」、ですね。

危険なモノで、危険なモノを避けるわけです。

疫病が流行ると、怨霊神を祀るんです。

 

 

 

ま、全部が全部、そう上手くはいきませんがね。

 

 

 

また、「香の物」の語源は、立ち寄った尊が「薮に神物(こうのもの)」と呼んだことからだ、とも言われています。

 

鹿屋野比売神」は、「イザナギイザナミ」両神から生まれました。

日本書紀』では、大八洲、海原、川、山、木、の次に生まれた「草の祖」です。

自然神ということは、かなり古くからの神だと考えられます。

ですので、こちらの神社も相当に古い信仰の形が残っていたのでしょう。

伝承とはいえ、日本武尊が立ち寄ったときには既に「社」だった、ということは少なくとも「熱田神宮」よりは古いんですね。

そして、漬物もまた、古くからあるのです。

 

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↑漬物の絵でも入っていると、面白かったんですけれどね。

 

おまけ。

下は、スマートフォングーグルマップスクリーンショットですが。

「萱津神社」の辺りの字名が、

 

「反魂香」

 

 

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「反魂香」といって、何を思い出すのか。

西行法師ですか?

坂崎紫瀾ですか?

いずれにしても、何かこう、いわくありげです。

こんな住所から手紙がきたら……。

 

 

 

日本の神様読み解き事典

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日本書紀〈1〉 (岩波文庫)

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