べにーのGinger Booker Club

神社仏閣ラブ(弛め)

「春日大社」(3)〜奈良めぐり

続きです。

御本殿から南の方に行きますと、「若宮」があります。

神社でいただいたパンフレットによると、

 

「若宮の周辺には、人が生涯を送る間に遭遇する様々な難所をお守りくださる神々が15社お鎮まりになられております。ぜひ、この15社のお社とご縁を結ばれ、神々様のご神徳によって幸多き素晴らしい人生を歩まれますようご案内をいたします。」

 

とあります。

「若宮15社めぐり」というものがあるそうで、これは行ってみねば。

 

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若宮近くの大楠。

 

まず、「夫婦大国社」で申し込みをします(費用がかかります)。

すると、15社の名前が書かれた玉串札を渡されます。

それを各社にお納めする、というプチ巡礼です。

それではスタート。

(神社名の後ろの表記は、神社パンフレットによります/一部省略あり)。

 

(1)「若宮」 天押雲根命 正しい知恵をお授けくださる神様

 

……のっけから写真がない、という……。

15社の中では一番大きなお社です。

祭神は「天押雲根命」。

伝承上は、中臣(藤原)氏の祖先である「天児屋命」の御子神です(記紀神話にはでてこないようです)。

パンフレットによれば

 

「若宮 御祭神 天押雲根命様

若宮様は平安の中頃、長保五年(1003)に大宮第四殿に神秘な御姿で出現された水を司る神様。当初は第四殿の内に、その後獅子の間にお祀りされていましたが、保延元年(1135)に現在地に神殿を造営して遷宮が行われました。

毎年、十二月十五日から十八日にかけて行われる若宮神社の御例祭春日若宮おん祭は保延二年(1136)、折からの長雨のため全国に疫病や飢饉が蔓延したのを鎮めるために始まり、以来一度も途絶えることなく現在まで奉仕され、神様が本殿から御旅所にお遷りになり、再びお還りになるなど古代の祭を伝える貴重な祭事です。また華やかな時代絵巻が繰り広げられる御渡り式や平安朝以来の貴重な神事芸能が数多く演じられる御旅所祭等があり、国の重要無形民俗文化財にも指定されている日本を代表するお祭の一つです。」

 

とあります。

「若宮様は平安の中頃、長保五年(1003)に大宮第四殿に神秘な御姿で出現された水を司る神様」だそうですが……。

急に?

疫病や飢饉に対しては、多くの神々への祈願や御霊鎮めが行われていたはずなんですが、どんな要請から出現されたのでしょうか。

中臣(藤原)氏縁の神社や寺では、これらに対抗する力がなかったから、ご登場願ったのでしょうか。

うーん……何かありそうです。

 

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気をとりなおして。

 

(2)一童社(三輪神社) 少彦名命 子孫の繁栄、子供の無事成長をお守りくださる神様

 

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 「三輪神社」といったら、通常は「大神神社」の勧請されたもので、「大物主神」を御祭神とすることが多いと思うのですが、まぁ「夫婦大国社」があって、そちらに「大国主命」がいらっしゃるのでしょうし、「大神神社」にも「少彦名神」はお祀りされているのでいいとしますか。

 

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にしても御朱印も「三輪神社」か……。

 

(3)兵主神社 大己貴命 延命長寿をお守りくださる神様

(4)南宮神社 金山彦神 金運をご守護くださる神様

 

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 「兵主神社」は立て札には、「勇気をお授けくださる神様」とありますね。

「南宮神社」は、「財宝の神様」でしょうか。

 

○こちら===>>>

南宮大社 - べにーのGinger Booker Club

 

金山彦神」は、もともとは金属加工の神様で、そこから鉱物資源の神様であったり、貨幣経済が浸透してきた際には金運の神様になったりしています。

 

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(5)広瀬神社 倉稲魂神 お稲荷様とご同神で衣食住をご守護くださる神様

(6)葛木神社 一言主神 心願成就の神様 一言(一つの祈願)を願えば叶えてくださるという

 

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……御遷座中、ということで、あちこち探しましたが、

 

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「若宮」の前にいらっしゃいました。

 

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(7)三十八所神社 伊弉諾尊 伊弉冉尊 神日本磐余彦命 正しい勇気と知恵をお授けくださる神様

 

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立て札には「開発開拓の神様」とあります。

物事の初めを祈願するということでしょうね。

 

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(7)佐良気神社 蛭子神(えびす神) 商売繁盛、交渉成立をお守りくださる神様

 

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立て札では「福徳の神様」となっています。

 

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(9)明恵上人解脱上人春日明神よう排除 春日皇大神 ひらめきの神様

 

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立て札には「鎌倉時代にこの九個の石(居石(すえいし))の所から、明恵上人が春日大社本殿を遥拝された記録があります」とあります。

明恵上人」は、華厳宗中興の祖と言われる高僧のようですが、浅学なもので「春日大社」との御関係がわかりません。

いずれ調べてみようかと思います。

しかし、遥拝所がもてはやされるくらいですから、かなりのお力があったものと。

 

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ここからしばらく山道を登っていきます。

 

(10)宗像神社 市杵島姫命 諸芸発達をお守りくださる、七福神の弁天様とも伝えられる神様で、天河弁財天と伝えられている。

 

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こちらのお社は基本的に朱塗りですので、その点での区別はできませんが、「弁天様=島」ですので、小さな堀で島を表現しています。

 

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(11)紀伊神社 五十猛命 大屋津姫命 抓津姫命 万物の生気、命の根源をお守りくださる神様

 

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 こちらが最奧です。

立て札には「御殿西側の石群は善女竜王が尾玉を納めた所と伝えられます」とあります。

祭神の三柱は「須佐之男命」の御子神で、

 

日本書紀〈1〉 (岩波文庫)

日本書紀〈1〉 (岩波文庫)

 

 

↑『日本書紀』には、

 

「一書に曰はく、素戔嗚尊の所行無状し。故、諸の神、科するに千倉置戸を以てし、遂に逐ふ。是の時に、素戔嗚尊、其の子五十猛神を帥ゐて、新羅国に降到りまして、曾尸茂梨の処に居します。……(略)……初め五十猛神、天降ります時に、多に樹種を将ちて下る。然れども韓地に殖ゑずして、尽に持ち帰る。遂に筑紫より始めて、凡て大八洲国の内に、播殖して青山に成さずといふこと莫し。所以に、五十猛命を称けて、有功の神とす。即ち紀伊国に所坐す大神是なり。」

 

「一書に曰はく、素戔嗚尊の曰はく、「韓郷の嶋には、是金銀有り。若使吾が児の所御す国に、浮宝有らずは、未だ佳からじ」とのたまひて、乃ち髭髯を抜きて散つ。即ち杉に成る。又、胸の毛を抜き散つ。是、檜に成る。尻の毛は、是柀に成る。眉の毛は櫲樟に成る。……(略)……時に、素戔嗚尊の子を、号けて五十猛命と曰す。妹大屋津姫命。次に抓津姫命。凡て此の三の神、亦能く木種を分布す。即ち紀伊国に渡し奉る。」

 

↑とあります。

だから、「紀伊神社」なのですね。

これらの神は、殖産の神、林業の神、家屋の神、と考えられるようになります。

 普段はあまり聞きませんけれども、もともと「牛頭天王社」だったところだと、お祀りされていることもあると思います。

 

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ここから引き返します。

 

(12)伊勢神宮遥拝所 天照坐皇大神 豊受大御神 天地の恵に感謝するところ

 

……あれ、また写真がない……。

 

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弘法大師護摩壇の写真は撮っているのに……。

 

(13)元春日枚岡神社遥拝所 天児屋根命比売命の本宮を遥にお参りするところ

 

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立て札には「延命長寿を祈願する所」とあります。

枚岡神社」は「元春日」なんですね……こりゃ行ってみないと。

 

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(14)金龍神社 金龍大神 開運財運をお守りくださる神。後醍醐天皇ゆかりのお宮

 

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末社 金龍神社 禁裡殿

祭神 金龍大

御例祭 八月二十五日 御神徳 金運財運

御由緒 今から六百五十年程前、鎌倉幕府の零落による世の乱を嘆かれた後醍醐天皇は倒幕を志されたが事半ばにして幕府に露見 天皇は難を逃れて笠置へ落させられた。これが元弘元年(1331)八月二十五日の世に言う元弘の変である。この途次、天皇は春日社に潜幸され、一面の御鏡を奉安されて、天下泰平の御祈祷を遊ばされた。これが金龍神社の起りである。宮中(禁裡)の御鏡を奉安されたので禁裡殿とも申し上げる。

崇敬者の浄財により、平成九年に御本殿の基壇が新設され 十八年往古のお百度の祈願が出来るよう境内整備がなされた。」

 

建武の新政から南北朝に至る過程で、奈良県(吉野)には南朝が置かれることになりましたから、「後醍醐天皇」の史跡もあちこちにあるのでしょう。

しかし私は、中世のことはさっぱりで……(もちろん、日本史そのものがさっぱりなのですが)。

 

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百度の案内板もありました。

 

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(15)夫婦大国社 大国主命 須勢理姫命 良縁・夫婦円満、福寿守護の神様

 

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というわけで戻ってまいりました。

「若宮15社めぐり」のラスト「夫婦大国社」では、中の祭壇前まで進むことができます。

そちらで最後の玉串札を納め、奉告をして終了です。

 

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全て終えてから授与所にいきますと、

 

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こちらをいただけます(A4サイズ強)。

ふう……「春日大社」へのご参拝は、こちらがメインだったといってもいいかもしれません。

とにかく、無事終えたことを感謝します(雨も降らなかったし)。

 

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本当に石灯籠が多いですね。

「万燈籠」の夜は幻想的なんでしょうね。

 

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表参道に「白藤の瀧」というのがあるそうです(いや、ちょっとへろへろで……)。

 

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木立越しに南門。

 

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実は、大きな鹿の像がある手水所があったのですが、海外のみなさんに大人気スポットだったので、写真は遠慮しました。

いや、満足満足(写真が撮れていないのは消化不良ですが)。

考察はまた次回に〜。