9/13。
遅めの夏休みをいただきましたので、旅行に行くことに。
雪が降る前に行っておきたい、そうです出雲です。
というわけで、名古屋を始発の新幹線で旅立ち岡山まで。
そこから山陽本線「やくも」でどんぶらこ……と揺られまして。
車窓からの風景は、既に色付く稲田の鮮やかな黄色。
最初に紅葉するのは、穀物なんですね。
黄金色のさざ波に、『風の谷のナウシカ』は日本の風景なのかもしれないなぁ、と思いました。
途中、車内アナウンスで「ここが分水嶺です」。
分水嶺……そんな言葉は日常ではめったに聞きません。
街に住んでいると、出会うことのない言葉ですね。
「天之水分神(あめのみくまりのかみ)、国之水分神(くにのみくまりのかみ)」という神が記紀神話に登場されます。
おそらくは灌漑を象徴した神(水分は「水配り」、「みくばり」から来ていると言われています)ですが、そこに透けて見えるのは分水嶺でしょう。
川が自然と進む先を選択する、その妙。
そこから得た知恵が、灌漑技術に結びついた、ということではないでしょうか。
途中、斐伊川を渡りました。
やや、赤黒くなっていたように思います。
かつては、「八岐大蛇」の血で赤く染まった(と言われている)斐伊川。
先来の豪雨の影響でしょうか。
ああ、出雲に来たんだなぁ……(ちょっと感動)。
出雲市駅で下車しまして、そのまま一畑電鉄で出雲大社前駅まで移動。
午前十一時半頃でしたか。
少し歩くと汗ばむ絶好の陽気の中、駅前から境内に向かうと、若干上り坂。
これが案外しんどい。
そして、来ました〜!!
「出雲大社」です!!
◯こちら===>>>出雲大社ホームページ
ああもう、時間が惜しい。
こちらは、二の鳥居ですね。
木製です。
鳥居を潜ると、参道は下っております。
九月というのに、夏の最中のようです。
そして、ご本殿が実に遠い、ということを初めて知る私です。
二の鳥居。
……あれ?三の鳥居か。
真ん中は、もちろん神様の通り道ですので歩いてはいけません(松の根を傷めるのでやめてね、と書かれていましたが)。
十分以上は歩いたでしょうか、ようやく到着〜。
観光客が、わんさかというほどではないですが、たくさんいる中、やっとこさ本殿が〜。
だ〜ん。
拝殿、平成の大遷宮のため改修中〜。
……でも、注連縄は見れたし。
左右はこんな感じです。
広い、そして天気がいい。
そしていよいよ、ご本殿。
ちょっとパノラマって見ました。
「八足門」。
ここから覗けるご本殿は、ほんのちょっとです……。
とにかくお参りを済ませまして、もう後は、この空間を堪能堪能。
「八足門」アップ。
時計回りにぐるっと回ってみよう、と思います。
ご本殿。
大社造のシンプルな構造は、神明造と並んで最古の神社建築様式と言われています。
これが、意外なほどに、大きいのです。
比較になるものがうまく写っていませんが、全高およそ24メートル。
ガン◯ム並みです。
ここで不思議なものを発見。
「御祭神大國主大神のお鎮まりになる御本殿の正面は南向きですが殿内の御神座は西向きとなっています」
……つまり、正面から参拝している我々に対して、横を向いておられるのですね。
さて、何故でしょうか。
今はこのように、御神座がどちらを向いているかわかっているんですが、昔は外部にはわからなかったでしょう。
神職はご存知だったでしょうが。
つまり、真正面からお祈りをさせないことが目的だった、と。
参拝しているようで参拝していない、そんな呪いが込められているのではないか。
というのが真実かどうかはさておき。
西向きですから、日没する太陽を見ているのではないか、という説があります。
元々、出雲の神は龍蛇の神。
背中をきらきらと光らせながら、暖かい海から流れ着いて動けなくなった海蛇が寄り着く浜が出雲だったのです。
太陽の沈む国からやってきた蛇神が、故郷を見つめている、そんなところではないでしょうか。
あ、いろいろな本から寄せ集めた話ですから、あまり信じないように。
ともかく、改めて、正面から参拝です。
どの角度から見ても、美しいですなぁ。
このまま、本殿の後ろにも回り込むことができます。
もう逆光逆光で……有り難さが今ひとつ伝わりませんが、いいです。
ちょっと離れて、パノラマってみました。
この辺りから眺めると、また素敵ですねぇ。
この角度だと階がばっちり見えます。
写真では、まったくスケール感が伝わりませんが、本当に大きいです。
シンプルに大きい、というのは常に人間の心を打ちます。
◯こちら===>>>平成の大遷宮
建造物の修繕のために、大國主大神に仮殿の遷っていただき、修繕が済んでまた本殿に遷っていただく。
その、「本殿遷座祭」が今年の5月に行なわれたのでした。
「伊勢神宮」の「式年遷宮」と奇しくも同じ年になったため、世の中はもう「遷宮」ブームですよ。
そして、「出雲大社」は縁結びの神、とされていますので、女性のみで出雲を訪れる方も多いそうです。
……おっさん一人で、という人はほとんど見かけませんでしたねぇ……。
何しろ、なかなか来られない場所です。できれば日没くらいまで、うろうろとしていたかったんですが……。
はぁぁ……。
それにしても、旅のエッセイとして、何一つ面白くない文章だな……腐ってやがる……。
(続く)